サーマルマネジメント:BMSと冷却システムの協調制御
リチウムイオンバッテリーの性能と寿命は、温度管理に大きく依存します。BMSは、バッテリーを最適な温度範囲(おおよそ20℃~40℃) に保つために、車両のサーマルマネジメントシステム(熱マネジメントシステム) と密接に連携して冷却や加熱を制御します。
BMSは各個電池の温度を常に監視し、高温状態が検知されると、冷却システム(冷却水ポンプ、冷却ファン、冷媒バルブなど) を作動させる指令を出します。冷却方式には、空冷、水冷(液冷)、そして冷媒を直接利用するダイレクトクーリングなどがあり、高性能EVほど積極的な冷却システムを備えています。
逆に、低温時にはバッテリーの内部抵抗が高まり、出力が低下し、充電も困難になります。この場合、BMSはバッテリーヒーターを作動させ、モーターやインバーターから発生する廃熱をバッテリーに導く、または充電中の電気エネルギーを利用して自己発熱させるなどして、バッテリーを適温に温めます。この精密な温度制御により、バッテリーは常に最高の状態で動作し、寿命も延ばすことができるのです。
FAQ
Q: 急速充電中に冷却ファンの音がうるさいのはなぜですか?A: 急速充電はバッテリーに大きな負荷がかかり、大量の熱を発生させます。BMSが高温化を検知し、冷却システムを最大能力で作動させているためです。これはバッテリーを保護するための正常な動作です。
Q: 暑い日に駐車中も冷却システムは作動しますか?A: 車種によりますが、高温になりすぎるのを防ぐために、バッテリー温度が一定以上になると、駐車中でも自動的に冷却システムが作動する「駐車中クーリング」機能を備えた車両が増えています。
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